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ルオマの初恋

When Ruoma was seventees

ルオマの初恋/Ruoma de shi qi sui

監督:チアン・チアルイ
出演:リー・ミン、ヤン・チーカン

雲南省紅河省の少数民族、ハニ族の少女ルオマは17歳。棚田の美しい村におばあちゃんと2人で暮らしている。ルオマはおばあちゃんのゆでたとうもろこしを背負い籠に入れ、乗り合いバスで町に出る。「焼きとうもろこしはいかが」大声をはりあげてもなかなかとうもろこしは売れない。観光客もルオマと一緒に写真を撮りたがるが、とうもろこしは買ってくれない。

ある日、カメラマンのアミンがルオマのとうもろこしを10本買ってくれる。代金の代わりにウォークマンを手渡すアミン。ルオマはウォークマンから流れるエンヤの音楽に魅了される。

アミンは観光客がルオマと写真を撮りたがる様子をみて、あることを思いつく。外国人観光客相手に、美しい棚田を背景にルオマと一緒に写真を撮らせる。撮影料金1枚10元。アミンのアイデアは大当たりし、観光客は列をなした。毎日アミンと一緒に過ごすルオマは、アミンに淡い思いを抱くように。

しかしアミンには恋人がいた。写真館をだし、今もなお仕送りを続けてくれている彼女に、アミンは頭があがらない。

田植祭の日、昆明に引き上げることを決意したアミンは別れを告げにルオマの家を訪れる。おばあちゃんは、ハニ族の若者は田植祭のときに好きな人に泥玉をぶつけて愛を告白するという話を2人にする。夕暮れのあぜ道で、アミンは足を滑らせ棚田に落ちてしまう。彼を助けようとルオマも田んぼにはいり、2人は泥玉を投げあう。

ルオマはアミンと一緒に昆明に行くことを決意する。バス乗り場に駆けつけたルオマが目にしたのは・・・。

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標高二千メートルという山岳地帯に鏡のようにきらきらとひかる棚田。朝焼けに、夕日に、きらめく様子は思わず息をのむほど。その美しい棚田の広がる村に、おばあちゃんと2人で暮らすルオマ。美しい民族衣装に身を包み、おばあちゃんのゆでたとうもろこしを背負い籠にいれ、乗り合いバスで町に向かう。そんな彼女の淡い、淡い恋物語。

ウォークマンから流れるエンヤの曲、そして、谷に響き渡るおばあちゃんの歌、壮大な自然と小さなひとびとの営みが調和する、美しい世界。

ルオマの恋心に胸がちくちくしながらも、気持ちはいつになくのびやかに。土、水、風と共に生きる心地よさを味わえたおかげと思う。

投稿者 sunameri : 2007年05月16日 20:39