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食べものはみんな生きていた

朝、目が覚めたら、外はみぞれまじりの雨・・・というか、雪!?まだまだ春も行ったり、来たりの那須です。

今日は午後いちから横浜で打ち合わせ。宇都宮で湘南新宿ラインに乗り換えれば横浜までは乗り換え無し!原稿書いたり、本を読んだり、電車に揺られながら充実の午前中を過ごしました。

で、今日のお供は・・・

食べものはみんな生きていた」山下 惣一 著
食べものはみんな生きていた

佐賀県唐津でずーっと農業をしてきたという山下さんが自らを「じいちゃん」と称し、お孫さんに語りかけるように、様々な角度から日本の「食」を綴られています。

今、「食」に対しての不安、不信を抱く人が増えて、「食」に関する情報も溢れているけれど、かえって本当に大切なこと、本質がみえにくくなっているように思います。

山下さんが子どもの頃(戦後すぐで食糧難だった時代)、山下さんがかわいがっていたうさぎを家族で食べたというエピソードが語られています。

学校から帰ってくるとあのうさぎがいない。その夜のごはんはうさぎ汁で、家族はみんなおいしいおいしいと喜んで食べています。どうしても食べる気持ちになれない山下さんはごはんも食べずにふとんをかぶって泣いています。夜中、お腹がすいて、そおっとお茶の間に行ってみるとお鍋の底にうさぎ汁が残っていました。食べてみるとおいしい。ごはんにかけておかわりして、「なんでこんなにうまいんだよ!」とポロポロ涙を流しながら食べたそうです。

食べるということは、残酷で有り難いということ、私自身もそれを実感できるような体験は数えるほどで、日々の暮らしの中では忘れてしまいがち。でも、中国産とか国産とか、有機栽培かそうでないかよりも、もっともっと大切なことだと思います。大人の私たちが忘れていては、子どもたちに伝えることもできません。

私自身は誰かに食べられちゃうということはないと思うけれど、別のかたちで誰かのいのちを支えていくお手伝いはできるのかな、と思ったり。もしかしたら、生きるって、いのちを支え合うことなのかもしれません。

投稿者 sunameri : 2008年03月31日 23:58

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