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エネルギー論争の盲点

福島第一原発の事故にまつわる悲しみについて、すごく軽んじられているように思えて、それがなによりかなしくて、ノーテンキな私も時折気持ちがしおれます。

その一方で、果たして「原発反対!」と叫ぶことで、私が望んでいる方向に向かうことができるのか?という気持ちも。「あれだめ」「これだめ」じゃなくって、次の一歩をどっちに踏み出すのがいいのかが知りたくて、やっぱり読書。

エネルギー論争の盲点
エネルギー論争の盲点」石井彰(著)

那須に引っ越してきて、まず最初の難関は薪ストーブでした。薪の調達しかり、火のつけ方しかり。で、「エネルギー」をすごく意識するように。

そこにガス会社さんとのおつきあいもでてきたりして、一般ピープル(?)にしてはエネルギーについての勉強もそこそこしてきたし、いろいろ考えてきたほうだと思います。

おうちを建てるにあたって、オール電化にしてIHをいれちゃうか、ガスコンロにしたほうがいいかという相談を受けることはあるのだけれど(それぞれの長所・短所を紹介しますよー)、エネルギー問題となると、え?私には関係ないでしょ?というひとが圧倒的。

最近になって状況はだいぶ変わってきたけれど、原発の事故の話と再生エネルギーの話が常に対ででてくることには違和感を覚えるし、再生エネルギー=太陽光発電=これからはやっぱりこれでしょう!的な論調に脱力することもしばし。

そんなもやもや感をちゃんと整理したいと思って手に取ったのが「エネルギー論争の盲点」。こちらもすごくいい本!でした。これはねぇ、おとな全員が読んだほうがいいと思う(笑)。

最終的な解決策についてはいろんな意見があるべきと思うけれど、今はベースの知識のばらつきが大き過ぎる気がする。自分の足元がどうなっている知らないで、あーだのこーだの議論してもねぇ。

テレビを観ない私には、いい歳したおとなが「テレビでこう言ってた!」とあたかも自説のように自信満々に語る姿をみせられるのって正直ちょっとしんどい。「どういうバックグラウンドのひとが、どういう目的で発言していたの?」とか、「で、あなたはなにをもってどう判断してるわけ?」と問い正したい衝動にかられちゃう(でもぐっとがまん)。

テレビで観たことを参考にすることをとやかく言うつもりはないけれど、自分の頭で考えてみて、わからないことを調べて、また考えてみるってプロセスがぬけちゃってるひとが多すぎると思う。

今まで持ち合わせていた知識で理解しきれない状況になったら、自分の考えを整理するために、それなりに勉強するのは当然だと思うんだけどなぁ。

みんな忙しくって、それどころじゃない?

そんな言い訳してるから、今、こんな状況になってると思うんだけどなぁ。

投稿者 sunameri : 2011年08月08日 23:05

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