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日本の魚は大丈夫か - 漁業は三陸から生まれ変わる
勝川先生も地震の後、ツィッターでその存在を知り、そのうちファンになっちゃいました。本当に、こういう先生がいる学校で勉強できる学生さん、うらやましいなぁ。
「日本の魚は大丈夫か - 漁業は三陸から生まれ変わる」勝川俊雄(著)
野菜やお肉も好きだけれど、うちは彼も私もお魚が大好き。でも、地震の前から、
「10年後、20年後にはもうこんな(おいしい)お魚は食べられなくなっちゃうかもね。」
なんて話をよくしていたのでした。
日本の漁業が厳しい状況になっているのは漠然と感じていたものの、この本のおかげで、問題、課題について理解が深まりました。
もちろん、漁業ならではの問題もあるけれど、日本自体が抱える構造的な問題という意味では、農業にも、製造業にも共通する部分が多いように感じます。
「今まで通り」にこだわるひとが多すぎて、議論さえできない。現状認識ができない、したくないひとが多いこと。
残念だけれど、この状況を打破できないことには、たぶん、私たちは、暮らしの質をだんだんに落としていかざるを得ないのだと思います。
そして、第六章「水産物の放射能汚染について最低限知っておきたいこと」は、まさに私が知りたかったこと!どんぴしゃ。水産物のみならず、食べ物全般の判断の参考になる内容でした。
放射能と食品の関係については、3月11日以降になにが起きて、今どういう状況なのか、とにかく事実が知りたいし、各分野の専門家の意見も聞きたい(その判断の根拠も知りたい)、自分が納得して判断できるだけの情報がほしくて、本当にたくさんの時間とエネルギーを費やしています。最近になって、やっといろんな情報がでてきてはいるものの、まだ、どうして?なんで?ということだらけで、結果として、不安なものは避けよう、という行動をとらざるを得ないというのが実情。
「自分の基準は自分で決める」がこれからの常識 という先生の考え方、私も同感。自分の決めるために必要な情報はやっぱり自分で集めるしかないと思っているのだけれど、この本の中で具体的にあげられている目安や考え方はとても参考になりました。
(1)細かいことは気にしない派・・・日本政府を全面的に信頼する
(2)まあまあ慎重派・・・ICRP基準に準拠
(3)リスクは最小限に抑えたい派・・・ECRR基準に準拠
今の時点での私自身のスタンスは(2)が近いけれど、食べたい度によっては(1)寄りにもなるし、嗜好品であれば(3)寄りに、というマイルール運用。他人に強制するものではないと思うし、あれこれ言われるのも困るのだけれど、炊き出しや仕事で使う食材については、マイルールでやらせてもらっています。
と、本の話から脱線してしまいましたが、読みやすく書かれている本当にいい本です。特にお魚好きな人は必読!の一冊だと思います。
投稿者 sunameri : 2011年09月13日 22:44
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