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January 26, 2007

マリー・アントワネット

どうしても観たくて、むりくり時間をつくって豊洲のシネコンに。

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マリー・アントワネット
/ Marie Antoinette
出演:キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツ、ジュディ・デイヴィス
監督・脚本:ソフィア・コッポラ

これほど有名な歴史的人物を、こんなにも魅力的に、生き生きと描くことができる描けるソフィア・コッポラにしびれました。賛否両論の作品だけれど、私は、こういう作品、大好き!

シャンパン、ケーキ、ドレスにジュエリーときらびやかなパーティーのシーンの後には、翌朝、その宴の残骸が片付けられていくシーンが続きます。うっとりするようなファンタジーとぞくぞくするようなリアルがごくごく自然につむがれて、その中に生きるマリー・アントワネットという女性は、すごく身近に感じられるのです。

女性だから描ける、女性の美しさ、強さ、優しさ、賢さと、女性のすべての魅力がぎゅっとつまった作品です。(私も女性であることが嬉しい!笑。)フランス革命がなんとかとか、そういうのを全部まっさらにして、マリー・アントワネットという1人の女性に会いにいくつもりで映画館に足を運んでもらえたら、と思います。

*「マリー・アントワネット」ソフィア・コッポラ単独インタビュー(シネマトゥデイ)

投稿者 sunameri :

January 17, 2007

クィーン

試写会の案内状に骨太作品の予感。試写会場も満員+補助席設置という盛況ぶりでした。

The QUEEN

クィーン / The QUEEN

出演:ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェイムズ・クロムウェル
監督:スティーブン・フリアーズ
脚本:ピーター・モーガン

1997年ダイアナ元皇太子妃がパリで急逝した事故直後、英国国民の感情の矛先となってしまうエリザベス女王の苦悩を人間味豊かに描いた作品。

エリザベス女王がというべきなのか、ヘレン・ミレンがというべきなのか悩ましいのだけれど、とにかくの彼女の圧倒的な魅力にしびれました。強く、賢明で、ユーモアがあり、気品があり、その上、とってもチャーミング!誇り高いことがあんなにかっこいいことだなんて、彼女に出会えなければ気づかなかったと思う。彼女に会いに、映画館に足を運ぶ価値があると思います。

女王の寝室やブレア首相のリビングなどのインテリアやロイヤル・ファミリーのファッションを楽しんだり、政治、マスコミ、世論について考えさせられたりと、間口もかなり広い作品です。今はただただ上質なものに出会えた充実感にひたっています。

投稿者 sunameri :

January 16, 2007

サン・ジャックへの道

仲の悪い中年の3兄弟が1500kmの道のりを歩く・・・というより、歩き通す!というストーリー。青い空に緑の大地、のびのびとしたポスターがすでに"ツボ"で、わくわくと試写にでかけました。

サン・ジャックへの道 / Saint-Jacques... La Mecque
出演:ミュリエル・ロバン、アルチュス・ド・パンゲルン、ジャン=ピエール・ダルッサン
監督・脚本:コリーヌ・セロー

失業、アルコール依存症、失読症、人種差別・・・現代のシビアな問題ながら、誰しもが関わっている痛み。それぞれに背負った痛みとともに、来る日も来る日も歩いて、歩いて、歩き回る2ヶ月間。最初はけんかばかりしていたメンバーが、いつからか、なにかを受け入れ、穏やかに、黙々と歩きだす。雄大な景色にとけこむような、彼らの歩く姿に、尊敬?羨望?不思議な気持ちが沸いてくる。

慌ただしく、冷たい社会のすぐ隣に、美しい自然がひろがっていること、雄大な時間が流れていること、そして、誰でも、そこに身を置くことはできるということが、とても励みに。

泣いて、笑って、会場をでたとき、薄暗くなっていた街並みに思わず、ほっ。きっと、目はしょぼしょぼ、顔もくしゃくしゃだったはず。ストーリーもキャストも、音楽も、ツボだらけの作品でした。

投稿者 sunameri :

January 4, 2007

プルーフ・オブ・マイ・ライフ

お正月休みにレンタルDVDで楽しみました。

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プルーフ・オブ・マイ・ライフ / Proof
出演:グウィネス・パルトロウアンソニー・ホプキンス、ジェイク・ギレンホール、ホープ・デイヴィス
監督:ジョン・マッデン

天才数学者の父をもち、自らも数学者を志すキャサリンは、精神を病んだ父を長年ひとりで看病し、その父を看取ると、その喪失感に自分自身を見失ってしまう。

グウィネスが演じるヒロイン・キャサリンの情緒不安定がかなりの重症で、痛々しさを通り越して、その強烈さに思わずひいてしまうほど。それでもなぜか目を離せないのは、どうにも自分をコントロールできなくなってしまうときの気持ち、ちょっとわかるような気がするから。不安、苛立ち、周囲のヒトのやさしさが息苦しくてたまらなく思うこと。脱け出したいのに脱け出せないもどかしさ。

キャサリンの心の荒模様とは対照的に、明るくおだやかなシカゴの街並みや彼女の暮らす家はうっとりするほどの美しさ。彼女が立ち直れたのは、恋人の優しさ、励まし、そして彼女が苦手とするお姉さんの存在も大きかっただろうけれど、美しい環境の中で癒されたところも大きかったはず。

ちょっぴりつまづいたとき、できるとこまでさかのぼってみるのもありなんだな、と気づかされます。後退するのにも、勇気が必要なのだけど。

好き嫌いが分かれると思うのだけれど、私はこういう作品、結構好きです。キャサリンは結構キツイキャラクターなのだけれど、グウィネスの凛々しさ、すごくいいです。グウィネスだけでなく、キャストがとてもいいです。もともと舞台向けの作品だったそう。グウィネスの舞台も観てみたいなぁ。

投稿者 sunameri :