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地球は売り物じゃない! - ジャンクフードと闘う農民たち
あちこちでいろんな取り上げ方をされているTPPの話。いろんなひとがいろんな問題提起をしていて(どれも結構熱が入ってるし)、なかなか全容がつかめないというか、どこに問題があるのか?(そもそも問題があるのか?)というすらよくわからなくて、もやもやとした気持ちが続いてました。
ちょっと古い本なのだけれど、先日図書館で借りてきたこの本を読んでいたら、農産物の自由貿易化の孕む問題点、つまり今繰り広げられているTPPの論点がなんとなくつかめて、だいぶすっきり。
「地球は売り物じゃない!―ジャンクフードと闘う農民たち」
ジョゼ・ボヴェ&フランソワ・デュフール、ジル・リュノ(著)
もう10年以上も前のことになるのだけれど、フランスの農民がマクドナルドを襲撃したというニュース、日本でも報道されていたと記憶しています。私も今ほどこのテの話に関心があったわけではないけれど、おもしろいひとたちがいるんだなーと思ったことを覚えています。
この事件の中心人物がジョゼ・ボヴェ氏。農民であり、有名な活動家。
ジョゼ・ボヴェ氏と活動を共にするフランソワ・デュフールの2人に対して、農業問題を得意とするジャーナリストのジル・リュノがインタビューしていく形式。熱く語る2人に対して、あぁ私もそこが聞きたい!ということをがんがん突っ込んでくれるので、気持ちよく読んでいけました。
彼らの主張は、彼らが「農的農業」を続けていくことを妨害する農産物の自由貿易化(食のグローバル化)を反対するというもの。
今、農業をやっている人たちから出ているTPP反対という意見はジョゼ・ボヴェ氏らの主張と根っこの部分で共通しているように思います。その土地にあったものを自然環境に過度な負荷をかけずに生産していく権利、そして、消費者が自ら食べるものを選ぶ権利を守るためには私たちもぼんやりしてちゃいけないってこと。
少なくとも、私自身はジャンクフードを否定するつもりはないけど、ジャンクフードしか手に入れられなくなるのは困るよね?という気持ち。
まず「農的農業」がどんなものかを理解しないことには、農産物の自由貿易化・食のグローバル化についての問題提起もぴんとこないはず。巻末の「農的農業」十原則を転載します。少しでも心にひっかかることがあったら、それがきっとはじめの一歩。
1.できるだけ多くの人が農業を営んで生きていけるように、生産量を分配する。2.欧州全体や世界中の農民と連帯する。
3.自然を尊重する。
4.豊富な資源を有効活用し、気象な資源を節約する。
5.農産物の購入、生産、加工、販売において透明性を追求する。
6.味覚と衛生面で食品の品質を確保する。
7.農業経営において最大限の自律性を確保する。
8.農民以外の農村住民とのパートナーシップを模索する。
9.飼育する動物と栽培する作物の多様性を維持する。
10.つねに長期的な視野を持ち、グローバルに考察する。
これからの農業に必要なことばかりのように思うのだけれど、残念ながら、今、語られている日本の農業の将来は違う方向に向かっているようにみえます。
私ももっとしっかり勉強して、自分のとれるアクションを考えていかなきゃ。
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ごはんメモ
< 今日の夕ごはん >
ラザニア、りんごとセロリのサラダ、こまつなの巣篭もり、梅ゼリー、紅茶
*「ラザニアが食べたい!」という彼のリクエスト、でもラザニア用のパスタがなかったので、トナカイパスタで。IEKAのトナカイパスタ、見かけによららず?むっちりもちもちなにげに骨太なおいしさ。彼は初めての?ラザニア、大喜びでした(笑)。
投稿者 sunameri : 2011年02月19日 23:52
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